DSCCを実際の試験で使用
SCCとDSCCの組み合わせがより価値の高い情報を実際に提供するかどうかを検証するために、DSCCとSCCの通常のDHI条件を反映させた試験で、主要な病原体によって引き起こされる潜在性乳房炎(IMI)を特定するための検査特性を単独のパラメータとして、また組み合わせとして評価しました。また研究者らは、主要ではない特定の病原体(特定の非黄色ブドウ球菌(NAS)種)によって引き起こされる潜在性乳房炎(IMI)の存在に応じて、DSCCおよびSCCの結果を評価しました。研究結果は2020年8月版の『予防獣医学』に掲載されました。この研究では、カナダのケベック州にある11の酪農場を対象に、合計969頭のホルスタイン・フリーシアン牛(泌乳および乾乳期)を調査しました。検出された乳房炎病原体は、主要な病原体(大腸菌(クレブシエラ属、セラチア属など)、大腸菌(エシェリキア属)、エンテロコッカス属、ラクトコッカス・ガルビエ、ラクトコッカス・ラクチス、スタフィロコッカス(S.)アウレウス、ストレプトコッカス・ウベリス、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ)、主要ではない病原体(コリネバクテリウム属、NAS)、およびその他の病原体(アエロコッカス・ビリダンス、パントエア菌、トゥルエペレラ・ピオゲネスなど)に分類されました。午前、午後、または24時間搾乳に応じて3種類の潜在性乳房炎(IMI)のステータスが用いられました。
では、SCCに加えてDSCCを使用した場合、実際により適切で正確な結果を得ることができるのでしょうか。研究者によれば、可能です。この研究から得られたデータによって、DSCC値の上昇が主要な病原体によって引き起こされる潜在性乳房炎(IMI)と関連しているということが明確に示されました。一方、潜在性乳房炎(IMI)のない牛や、主要でない病原体または他の病原体が原因の潜在性乳房炎(IMI)がある牛ではDSCC値が低かったのです。DSCCはサンプル中の免疫細胞数合計の指標であるため、牛が主要な病原体またはより有害な、主要でない病原体と戦わなければならないときにDSCC値が高くなることは理にかなっています。体は、発病確率が低く主要でない細菌への対応よりも多くの免疫細胞を動員しているのです。シュワルツ博士はこう述べています。「もし2つの生乳サンプルを比較して、どちらもSCCが100,000個/mlであるとして、手元にある情報がそれだけだったら、両方のサンプルを同じとみなすことになります。しかし、一方のサンプルのDSCC値が60%で、他方のサンプルでは80%という可能性もあります。80%という高いDSCC値は免疫システムが何かと戦っていることを示していますが、60%という低い数値はかなり正常に見えます。乳房炎病原体による未検出・未治療の潜在性乳房炎(IMI)は、牛群に潜在性乳房炎(IMI)を広げる明らかなリスクがあるため、このような追加情報を知ることは乳房の健康監視プログラムにおいて大切なことです。「SCCが200,000/mlを超える牛では乳房炎または潜在性乳房炎(IMI)のリスクが高いため、SCCに明確な閾値を設定しています。さらにSCCとDSCCを組み合わせることで、SCC単体よりも多くの潜在性乳房炎(IMI)(18%増!!!)を特定できることが示され、これはDHIベースの乳房健康監視プログラムにおける重要な進歩です。DSCC閾値65%とSCC閾値200,000個/mlの組み合わせが最良の試験結果につながります。弊社は、酪農場の日常管理に鑑みて研究結果の解釈を深めるべく取り組んでいます」。