乳検体の細胞分布を詳細に調べることで、体細胞数を単体で検査したときよりも乳房感染症の検出率を18%増加させることができます。これはカナダの酪農場を対象とした最近の研究で明らかになったのですが、このDSCCと呼ばれる方法が新たな乳房管理ツールとして信頼性の高い手段であることが確認されたのです。
乳房炎は乳房の炎症のことで、主に潜在性乳房炎(IMI)が原因で起きます。乳房炎による損失額は年間数百万ユーロに上ります。乳汁検査と乳中免疫細胞測定(体細胞数、SCC)は乳房炎発見のための優れたツールであり、乳房健康管理の標準的なツールとなっています。ただ乳房炎は今でも生乳生産量に対する大きな脅威となっており、これがSCCを補完する新たなツールをFOSSが開発した理由でもあります。
これによって以前よりも早く病気を発見し、牛や農家に最悪の影響が出る前に是正措置を講じることができるようになります。「2017年にはSCCの追加ツールとしてDSCC(体細胞分類)と呼ばれる方法を導入しました」とFOSS Analyticalの酪農主任専門家、ダニエル・シュワルツ博士は説明しています。
体細胞分類法
DSCC値は白血球(免疫細胞)多形核好中球(PMN)とリンパ球の合計の割合で、SCC総数の割合として表示されます。「高値のDSCC値は病原菌が多いということであり、牛が病原菌と活発に戦っていることを意味しています。酪農家はこれを元に最適な行動計画を決定することができます。SCC以外にこのような追加情報があれば、乳房健康監視プログラムに役立ちます。乳房炎病原体による潜在性乳房炎(IMI)が検出・治療されないまま放置された場合、乳牛群内でIMIが蔓延するリスクとなるのは明白だからです」とシュワルツ博士は説明します。
乳房感染症の検出率が18%増加
『予防獣医学』2020年8月号に掲載された最近の科学的研究では、SCCとDSCCを組み合わせることで潜在性乳房炎の検出率がSCC単独よりも上昇する(18%増)ことが示されました。この研究では、カナダのケベック州にある11の酪農場を対象に、合計969頭のホルスタイン・フリーシアン乳牛(泌乳および乾乳期)が調査され、定期的なDHI検査による乳房健康監視プログラムでDSCCがSCCの新たな補助パラメーターとして評価された初の研究となりました。
「この新しい研究の結果は非常にエキサイティングであり、私たちの方法で乳房健康を改善し、最終的に乳房炎の症例を減らすことができるということが分かりました。どのみち採取後に検査室に回されるSCC検体についてDSCCを一緒に定期的に測定すればよいので、DSCC法を採用するといっても作業が増えるわけではないのです」とシュワルツ博士は述べています。
設置済みのDSCC分析装置は100台以上
生乳の細胞分化は従来、時間と費用がかかる、まさに科学的な活動とみなされていました。「1時間に最大600検体まで対応可能なハイスループットのフローサイトメトリーベース分析装置(フォマソティック™7DC)を使ってDSCCを測定することができます。2017年の発売以来、世界中の乳汁検査センターで100台以上のフォマソティック™7DCが設置されています。
「乳房炎の原因菌は常に進化しているので、違う病原体では乳中の免疫細胞や、誘発される免疫細胞の種類が変わってくることも考えられます。SCCに追加する形でDSCCを使用できれば、この複雑な疾患に対応する手段が増えることになります」とシュワルツ博士は結論づけています。
FOSS Analytical A/Sについて
FOSSは地球の農業資源の持続可能な利用、ひいては世界中の人々の栄養と健康に貢献しています。FOSSは分析を通じて、原材料から最終製品に至るまで食品の品質を向上させ、生産を最適化することでお客様に付加価値を提供しています。企業は、測定を情報化することでインテリジェントデータ駆動型の生産を実行し、無駄を省いて生鮮性を高めることができます。FOSSの創立者であるニルス・フォスがデンマークのヒレレズに家族経営の会社を設立したのは1956年でしたが、FOSSは今では世界中で1,500人以上の有能な人材を雇用しています。
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